登録免許税の納め方|収入印紙の買い方から電子納付まで、会社設立の登記で迷わないために
会社設立の登記で納める登録免許税の納め方を、収入印紙を貼る方法と電子納付に分けて説明します。台紙の作り方、消印の扱い、印紙をどこで買うかまで扱います。
会社設立の登記の書類がだいたいそろってきて、あとは登録免許税をどう納めるかという段階の人に向けた記事です。収入印紙を貼るとは聞いたけれど、どこに貼るのか、消印は押すのか、どこで買うのかが分からない。そんなところでつまずいている人が対象です。
登録免許税の金額が決まったら、次は納め方です。会社設立の登記では、収入印紙を台紙に貼って綴じるのが基本ですが、オンラインで申請するなら電子納付も選べます。どちらも難しい手続きではありませんが、印紙の消印のように扱いが紛らわしいところがあります。
納め方は三つある

会社設立の登記で登録免許税を納める方法は、大きく三つあります。収入印紙を貼る方法、電子納付、現金で納付書を使う方法です。
いちばん多いのが収入印紙です。窓口に持参する場合も郵送する場合も、申請書に収入印紙を貼った台紙を綴じて一緒に出します。紙で会社設立の登記を進めるなら、この形になります。
次が電子納付です。登記・供託オンライン申請システムから申請すると、納付情報が発行されます。それを使ってインターネットバンキングやATMのペイジーで納めます。印紙を買いに行く手間がなくなります。
三つめが現金納付です。納付書を使って金融機関に納め、もらった領収証書を申請書に貼ります。会社設立の登記でこの方法を選ぶ人はあまりいません。高額な場合や、印紙を扱っていない地域で使われることがある程度です。
どれを選んでも税額は同じです。会社設立の登記で15万円を納めるなら、印紙で15万円分を買っても、ペイジーで15万円を振り込んでも変わりません。手間の違いだけです。
決め方としては、紙で申請するなら収入印紙、オンラインで申請するなら電子納付、と考えておけば足ります。オンライン申請でも印紙を使うことはできますが、わざわざそうする理由はあまりありません。

納める時期は、どの方法でも登記の申請と同時です。あとから請求が来る仕組みではありません。納めていないと、会社設立の登記の申請そのものが受け付けられないことになります。
出典(一次情報)法務局「商業・法人登記の申請書様式」2026年9月15日確認
収入印紙はどこで買うのか

収入印紙は郵便局で買えます。コンビニエンスストアでも扱っていますが、置いているのは200円の印紙だけ、というところがほとんどです。
会社設立の登記では15万円や6万円といった金額になるので、200円の印紙を何百枚も貼るわけにはいきません。額面の大きい印紙が要ります。印紙には1,000円、1万円、10万円といった額面のものがあります。
ところが、額面の大きい印紙は郵便局の支店によっては在庫がないことがあります。小さな支店だと、10万円の印紙を頼んでも取り寄せになることがあるのです。
確実なのは、法務局の中か近くにある印紙の売り場です。登記の申請で使う人が多いので、大きい額面の在庫があります。法務局によっては庁舎内に印紙売場があるので、申請に行くついでに買えます。
法務局の売り場の営業時間は、窓口の受付時間と必ずしも同じではありません。会社設立の登記を出しに行く日に買うつもりなら、先に確かめておいてください。
郵便局で買う場合は、事前に電話で在庫を確かめておくと確実です。「登記で使うので15万円分ほしい」と伝えれば、組み合わせも相談に乗ってくれます。
印紙はクレジットカードでは買えません。現金が要ります。15万円を持ち歩くことになるので、会社設立の登記を出しに行く日は気をつけてください。
紙の定款で会社設立を進める人は、印紙を二種類買うことになります。定款に貼る4万円の印紙税の分と、登記に使う登録免許税の分です。額面も扱いも違うので、買うときに分けてもらい、封筒を分けておくと取り違えません。電子定款にするなら、定款の分は不要です。
買った印紙は、貼るまで折らないようにします。折り目が入っても使えなくなるわけではありませんが、きれいに貼れなくなります。
出典(解説)さきがけ税理士法人「登記申請から完了までの手順」2026年9月15日確認
台紙の作り方と貼り方

収入印紙は、申請書に直接貼るのではなく、台紙という紙に貼ります。会社設立の登記の記載例でも、そういう作りになっています。
台紙は白紙のA4で構いません。上のほうに「収入印紙貼付台紙」と書いておくと分かりやすくなります。書かなくても受け付けてもらえますが、書いておくのが通例です。
貼る場所に決まりはありません。紙の中央あたりに、重ならないように並べて貼ります。複数枚になるときは、少し間を空けて並べると確認しやすくなります。
ここが大事なところですが、登録免許税の収入印紙には消印を押しません。押してしまうと使えなくなり、貼り直すことになります。会社設立で紙の定款を作る場合、そちらの印紙には消印を押すので、扱いが逆です。
台紙は、申請書の次に綴じます。申請書、台紙、登記すべき事項の別紙、添付書類、という並びが一般的です。ホチキスで左側を留めます。
申請書と台紙のつなぎ目には、代表取締役が法務局に届け出る印で契印を押します。申請書が複数枚のときは、そのつなぎ目にも押します。
郵送で会社設立の登記を出す場合、印紙を貼った書類を送ることになります。金額が大きいので、書留など追跡できる方法で送ってください。普通郵便で送るのはおすすめしません。
定款や添付書類との綴じ方も確かめておいてください。会社設立の登記では、申請書と台紙と別紙は一綴りにしますが、定款や払込証明書といった添付書類は別に重ねる形が一般的です。印鑑届書はさらに別扱いにします。法務局によって案内が違うので、窓口で聞くのが確実です。
万一、印紙を貼りすぎた場合や、申請を取り下げた場合には、還付や再使用証明という手当てがあります。ただし手続きが要るので、金額はよく確かめてから買ってください。
出典(解説)ベンチャーサポート「会社設立時の登記申請書の書き方」2026年9月15日確認
電子納付のしかた

登記・供託オンライン申請システムから会社設立の登記を申請すると、電子納付が選べます。印紙を買いに行かなくて済むのが大きな利点です。
流れとしては、申請を送信すると、システムから納付情報が発行されます。収納機関番号、納付番号、確認番号、納付区分といった数字が示されるので、それを使って納めます。
納める先は、インターネットバンキングか、ペイジーに対応したATMです。金融機関のサイトで「税金・各種料金の払込み」といったメニューから入り、示された数字を入力します。
注意したいのが期限です。納付情報が発行されてから一定の期間内に納めないと、申請が取り下げ扱いになることがあります。会社設立の日を狙っているなら、申請したらその日のうちに納めてください。
インターネットバンキングを使うには、あらかじめ契約が要ります。会社設立の前なので、使えるのは個人の口座になります。代表者個人の口座から納めることになりますが、それで問題ありません。
ATMで納める場合は、ペイジーに対応した機械を探す必要があります。金融機関によって対応していないこともあるので、事前に確かめておいてください。
電子納付を使う場合でも、会社設立の登記の添付書類は別に出すことがあります。書面で出すものが残るなら、それを法務局に持参するか郵送します。オンラインで全部が完結するとはかぎりません。
電子定款で会社設立を進めている人は、オンライン申請との相性がよくなります。定款のデータも、登記の申請もオンラインで扱えるからです。ただし電子定款にしたからといって登記もオンラインでなければならないわけではありません。定款は電子、登記は窓口、という組み合わせもできます。
納付が終わると、システムの画面で状態が確認できます。きちんと納まったかどうかを見ておくと安心です。
出典(一次情報)法務省 登記・供託オンライン申請システム「申請・請求方法のご案内」2026年9月15日確認
軽減措置を使うときの納め方

市区町村の特定創業支援等事業の支援を受けて証明書をもらっていれば、会社設立の登記の登録免許税が半額になります。株式会社なら7万5,000円、合同会社なら3万円です。
納め方そのものは変わりません。収入印紙を台紙に貼るか、電子納付をするかのどちらかです。違うのは、金額と、証明書を添えることです。
証明書は、会社設立の登記の申請書に添えます。添付書類の欄にもその旨を書きます。証明書がないと軽減は受けられないので、忘れずに添えてください。
申請書には、軽減の根拠となる法令の条項を書く欄があります。記載例が用意されていることが多いので、証明書を出してくれた市区町村か、法務局に確かめてください。
証明書には有効期間が定められていることがあります。取ってから会社設立の登記までに時間が空きすぎると使えなくなるので、日程を見ながら取るタイミングを決めてください。
印紙を買うときも、軽減後の金額で買います。うっかり15万円分を買ってしまうと、余った分の扱いが面倒になります。会社設立の登記に進む前に、税額を確定させておいてください。
軽減措置を使う場合でも、定款の作り方は変わりません。定款認証の手数料が安くなるわけでもありません。あくまで会社設立の登記の登録免許税だけが半分になる制度です。ここを取り違えると、費用の見積もりがずれます。
軽減措置が使えるかどうかは、住んでいる市区町村に制度があるかどうかによります。中小企業庁のページから認定を受けた市区町村を辿れます。
出典(一次情報)中小企業庁「会社設立時の登録免許税の軽減について」2026年9月15日確認
納め方でよくある間違い

会社設立の登記で、登録免許税の納め方に関してよくある間違いを並べておきます。

この中でいちばん多いのが、消印です。定款に貼る印紙には消印を押すと覚えていると、つい登録免許税の印紙にも押してしまいます。会社設立で両方を扱う人は、とくに気をつけてください。
金額の間違いは、資本金の額を取り違えているか、最低額の扱いを勘違いしているかのどちらかです。定款に書いた額をもとに、もう一度計算し直してから買いに行ってください。
電子納付の期限は、忘れやすいところです。申請を送信したあとに気が抜けて、そのままにしてしまう。会社設立の日を狙っているなら、申請と納付をひと続きの作業にしてください。
もう一つ、印紙を貼る位置で迷う人がいます。台紙の上のほうに寄せるべきか、中央でいいのか。決まりはありません。ただし、綴じたときにホチキスの針が印紙にかからないようにしてください。窓口で確認するときに見づらくなります。
こうした間違いは、たいてい補正で直せます。ただし直すぶんだけ日数がかかります。会社設立の登記を出す前に、台紙のところだけでももう一度見直すと安心です。
出典(解説)ひとりでできる会社設立「登記ができない注意点」2026年9月15日確認
納めたあとの流れ

登録免許税を納めて会社設立の登記を申請したら、あとは待つことになります。ここで何が起きているのかを知っておくと、落ち着いて待てます。
申請が受け付けられると、受付番号が付きます。この受付の日が、会社の設立日になります。登記が完了した日ではありません。
そのあと、登記官が申請書と添付書類を審査します。定款と申請書の内容が合っているか、必要な書類がそろっているか、登録免許税が正しく納められているかを見ます。
問題がなければ、登記簿に記録されて完了です。完了しても法務局から連絡が来るわけではないので、公表されている登記完了予定日を目安に自分で確かめることになります。
不備があれば、補正の連絡が来ます。登録免許税に関する不備、たとえば金額が足りない場合は、足りない分の印紙を追加で貼ることになります。
完了予定日は法務局のサイトで公表されています。「登記完了予定日」というページがあり、商業・法人登記の分が日付で示されています。会社設立の登記を出したら、そのページを見て見当をつけてください。混んでいる時期は後ろにずれます。
登記が完了したら、印鑑カードの交付を受け、登記事項証明書を取ります。ここから会社設立のあとの手続きが始まります。税務署への届出も、銀行口座の開設も、この証明書が要ります。
登記が完了したら、登記簿の内容が申請したとおりになっているかを確かめてください。商号、本店、目的、資本金の額、役員。定款に書いたとおりに載っているかを一行ずつ見ます。会社設立の登記は登記官が審査しているので間違いはまずありませんが、こちらの書き間違いがそのまま登記されていることはありえます。
納めた登録免許税は、登記が完了すればそのまま国の収入になります。会社の経費としては、租税公課などの科目で処理することになります。領収証書や印紙の記録は残しておいてください。
出典(解説)高島司法書士事務所「株式会社設立登記にかかる期間について」2026年9月15日確認
まとめ

会社設立の登記で納める登録免許税は、収入印紙を台紙に貼るか、電子納付で納めます。紙で申請するなら印紙、オンラインで申請するなら電子納付、と考えておけば足ります。
- 収入印紙は郵便局か法務局の近くで買う。額面の大きいものは在庫がないことがある。
- 台紙は白紙のA4でよい。「収入印紙貼付台紙」と書いておくと分かりやすい。
- 登録免許税の印紙に消印は押さない。定款に貼る印紙とは扱いが逆。
- 申請書と台紙のつなぎ目に、代表取締役の届出印で契印を押す。
- 電子納付は納付情報が出てから期限内に。申請と納付はひと続きの作業にする。
- 軽減措置を使うなら、市区町村の証明書を添え、軽減後の額で納める。
ここに書いた取り扱いは2026年9月15日時点のものです。法務局によって細かい運用が違うことがあるので、会社設立の登記を出す前に、申請先の法務局に確かめてください。金額そのものは国税庁のページで確かめられます。迷うところは、法務局の登記手続案内が無料で使えます。
出典(一次情報)法務省「登記・供託オンライン申請システムによる登記事項の提出について」2026年9月15日確認
納め方が分かれば、あとは出しに行くだけです
登録免許税の納め方でつまずくのは、たいてい消印と金額の二つです。そこさえ押さえれば、あとは印紙を買って貼って綴じるだけの作業になります。オンラインで申請するなら、印紙を買いに行く必要すらありません。
税額の計算に自信がないなら、登録免許税の計算方法を扱った記事に戻ってください。軽減措置が使えるか知りたいなら、そちらを扱った記事があります。
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