登記事項証明書(登記簿謄本)の取り方と費用|三つの種類と、窓口・郵送・オンライン
登記事項証明書の取り方と手数料をまとめます。会社設立の直後は使う場面が多く、定款の写しとセットで求められることもあります。
会社設立の登記が完了して、登記事項証明書を取りに行く段階の人に向けた記事です。種類がいくつかあって、どれを取ればいいのか分からない。手数料がいくらか分からない。そんな迷いを持っている人が対象です。取引先から提出を求められた人にも使えます。
登記事項証明書は、会社設立の直後にいちばんよく使う書類です。税務署にも年金事務所にも銀行にも出します。ところが種類が三つあって、取り方も三通りあり、手数料もそれぞれ違います。何をどう取ればいいのかを整理しておきます。
登記事項証明書とは何か

登記事項証明書は、登記簿に記録されている内容を法務局が証明する書類です。会社の商号、本店、目的、資本金の額、役員といった情報が記載されています。
昔は登記簿が紙でした。その帳簿を写して証明したものが謄本で、一部だけを写したものが抄本です。それがコンピュータ化されてデータになったので、登記事項証明書という名前になりました。
ただ、登記簿謄本という言い方は今も残っています。銀行の申込書や許認可の様式に「登記簿謄本」と印刷されていることもありますが、指しているのは同じものです。
会社設立の登記が完了すると、この証明書が取れるようになります。逆に言えば、完了するまでは取れません。だから会社設立のあとの手続きは、完了を待ってから始まります。
誰でも取れます。自分の会社のものでなくても、商号と本店が分かれば取れます。登記は公開の制度なので、そういう仕組みになっています。
会社設立の直後に使う場面は多くあります。税務署への法人設立届出書、年金事務所への新規適用届、銀行口座の開設、許認可の申請、補助金の申請。
提出先から「発行から3か月以内のもの」といった条件を付けられることがよくあります。古いものは使えないので、必要になったときに取り直すことになります。
定款の写しとセットで求められることもあります。登記簿には載らない事項——事業年度や株式の譲渡制限の細かい定め——を確かめたいからです。
証明書に何が載っているかは、定款に書いた内容とほぼ重なります。商号、本店、目的、資本金の額、役員。会社設立のときに定款で決めたことが、そのまま外に見える形になっているということです。定款と並べて読むと、どこが公開されてどこが公開されないかが分かります。
会社設立の登記が終わったら、必要な通数を数えてまとめて取るのが効率的です。1通ずつ取りに行くと、手数料も交通費も往復の時間も重なります。
出典(一次情報)法務局「登記事項証明書(会社・法人)を取得したい方」2026年9月15日確認
三つの種類を使い分ける

登記事項証明書には種類があります。窓口の請求書にも選ぶ欄があるので、どれを取るかを決めておく必要があります。
一つめが履歴事項全部証明書です。今の内容に加えて、一定の期間内に変わった前の内容も載ります。いちばんよく求められるもので、登記簿謄本といえばたいていこれを指します。
二つめが現在事項全部証明書です。今の内容だけが載ります。過去の役員や前の本店は出てきません。範囲が狭いぶん、枚数が少なくなることがあります。
三つめが代表者事項証明書です。代表者が誰かということだけを証明するものです。範囲が狭く、出す先が限られます。
このほかに、閉鎖事項証明書というものもあります。閉鎖された登記記録の内容を証明するもので、会社設立の直後に使うことはありません。
会社設立の直後は、まだ変更の履歴がありません。だから履歴事項全部証明書を取っても、現在事項全部証明書とほとんど同じ内容になります。
それでも提出先から履歴事項を指定されることが多いので、迷ったら履歴事項全部証明書にしておけば大きく外しません。
手数料はどの種類でも同じです。だから範囲の広いものを取っておくほうが、使える場面が広くなります。
どの種類を取っても、定款の写しを別に求められることはあります。事業年度や株式の譲渡制限の細かい定めは、登記簿には載らないからです。会社設立の直後に銀行や許認可の窓口へ行くときは、証明書と定款の写しをセットで用意してください。
一部事項証明書というものもあります。必要な部分だけを証明するもので、役員に関する事項だけ、といった取り方ができます。使う場面は限られます。
出典(解説)GVA 法人登記「現在事項全部証明書の取得方法は?」2026年9月15日確認
取り方は三通り

登記事項証明書の取り方は三通りあります。窓口で請求する、郵送で請求する、オンラインで請求する。手数料が違います。
窓口で請求する場合は、法務局に行って申請書を書きます。用紙は窓口に置いてあります。商号と本店を書いて、必要な通数を指定します。
会社設立の登記をした法務局でなくても構いません。どの法務局でも、全国の会社の証明書を取れます。管轄が関係するのは申請のときだけです。
手数料は、書面請求で1通600円です。収入印紙で納めるので、法務局で印紙を買って申請書に貼ります。
郵送で請求する場合は、申請書に収入印紙を貼って、返信用の封筒を同封して送ります。手数料は窓口と同じ600円です。
オンラインで請求する場合は、登記・供託オンライン申請システムのかんたん証明書請求を使います。手数料が安くなります。
オンライン請求で郵送してもらうと1通520円、窓口で受け取ると490円です。会社設立の直後に何通も取るなら、この差が効いてきます。
オンライン請求の手数料は、インターネットバンキングかペイジー対応のATMで納めます。申請の前に使える手段があるかを確かめておいてください。
郵送で請求する場合は、返信用の封筒に切手を貼って同封します。返送先の住所と宛名も書いておいてください。会社設立の直後で会社の封筒がなければ、手書きで構いません。
証明書の交付請求だけなら、申請用総合ソフトを入れなくても使えます。ブラウザから使えるかんたん証明書請求で足ります。
出典(一次情報)法務省「登記手数料について」2026年9月15日確認
書面請求600円、オンライン請求・送付520円、オンライン請求・窓口交付490円(令和7年4月1日から)。
手数料を比べる

手数料は、請求のしかたによって変わります。会社設立の直後は何通も取るので、差を知っておく価値があります。

登記事項証明書は、書面請求で600円、オンライン請求で郵送520円、窓口受取490円です。5通取るなら、オンラインのほうが550円安くなります。
会社の印鑑証明書は、書面請求で500円、オンライン請求で郵送450円、窓口受取420円です。こちらも会社設立の直後に何通か使います。
枚数が多いと加算があります。50枚を超えると、超えた分について50枚ごとに100円が足されます。会社設立の直後は数ページに収まるので、気にしなくて構いません。
ただし、目的をたくさん書いた会社では枚数が増えることがあります。会社設立の段階で目的を絞るのは、こういうところにも効いてきます。
オンライン請求のほうが安いのは、法務局の事務の負担が軽いからです。窓口で受け取れば、さらに安くなります。
会社設立の直後は、定款の謄本代も別にかかっています。株式会社なら公証役場で認証を受けたときに払っているはずです。証明書の手数料と合わせると、書類まわりの費用だけで数千円になります。見積もりに入れておいてください。
交通費まで含めて考えると、郵送してもらうほうが結局は安いこともあります。会社設立の直後にまとめて取るなら、送付にしておくのが楽です。
出典(一次情報)法務省「登記手数料について」2026年9月15日確認
オンライン請求の使い方

オンラインで登記事項証明書を請求するには、登記・供託オンライン申請システムを使います。会社設立の登記をオンラインで出した人なら、すでに登録が済んでいます。
証明書の請求だけなら、かんたん証明書請求という機能を使います。ブラウザから使えるので、申請用総合ソフトを入れる必要がありません。
まず申請者情報の登録をします。無料で、サイトから申し込めます。会社設立の準備の段階で済ませておくと、あとで楽になります。
ログインしたら、証明書の種類を選びます。登記事項証明書か印鑑証明書か。登記事項証明書なら、履歴事項全部証明書などの区分も選びます。
会社を指定します。商号と本店で検索するか、会社法人等番号で指定します。番号のほうが確実に特定できます。
通数と受け取り方を指定します。郵送か窓口交付か。窓口交付を選ぶと、指定した法務局で受け取ることになります。
送信すると、納付情報が発行されます。インターネットバンキングかペイジー対応のATMで手数料を納めます。
納付が確認されると、証明書が作られます。郵送なら数日で届きますし、窓口交付なら指定した法務局で受け取れます。
会社法人等番号は、会社設立の登記が完了すると付きます。登記事項証明書に載っているので、一度取れば以後はその番号で指定できます。定款には書かれていない情報です。
利用できる時間に決まりがあります。平日の朝から夜までで、土日祝日は使えません。会社設立の手続きを急いでいるなら、時間も確かめてください。
出典(一次情報)法務省「オンラインによる登記事項証明書及び印鑑証明書の交付請求について(商業・法人関係)」2026年9月15日確認
会社設立の直後に何通要るか

会社設立の登記が完了したあと、登記事項証明書を何通使うのかを数えておきます。まとめて取るための見積もりです。

会社設立の直後は、3通から5通は見込んでおいてください。提出先が多いので、思ったより使います。
ただし、発行からの期間に条件が付くことがあります。3か月以内、といった形です。あまり多く取っておくと、使う前に期限が来ることもあります。
手続きの予定が決まっているなら、その時期に合わせて取るのが無駄がありません。会社設立の登記が完了した直後にまとめて取って、1か月以内に使い切るくらいの感覚です。
会社の印鑑証明書も同時に取ります。銀行口座の開設や許認可の申請で求められます。こちらは印鑑カードがないと取れません。
定款の写しも用意しておいてください。登記簿には載らない事項を確かめるために求められます。コピーを何部か作っておくと手間が減ります。
定款の写しは、コピーで構わないことがほとんどです。ただし原本証明を求められることもあります。その場合は、コピーに「原本と相違ありません」と書いて代表者が記名押印します。会社設立の直後によく出てくる手続きです。
あとから必要になったら、そのとき取ればいいだけです。オンライン請求なら法務局に行かずに済むので、そう構える必要はありません。
出典(解説)弥生「会社設立後にやることは?」2026年9月15日確認
登記情報提供サービスとの違い

登記の内容を確かめる方法には、もう一つ登記情報提供サービスがあります。登記事項証明書とは性格が違うので、混同しないでください。
登記情報提供サービスは、登記されている内容をインターネットの画面で見られる有料のサービスです。民事法務協会が運営しています。
料金は、商業・法人の全部事項で1件330円です。登記事項証明書の600円より安く、その場で見られるのが利点です。
ただし、証明書としては使えません。法務局の証明が付いていないからです。会社設立の届出や銀行口座の開設には使えません。
使うのは、内容を確かめたいときです。取引先の会社の登記を見たい、自分の会社の登記がどう記録されたかを確かめたい。そういう場面で役に立ちます。
会社設立の登記が完了したかどうかを確かめるのにも使えます。取れるようになっていれば完了しているということです。
一時利用という仕組みがあって、継続の契約をしなくてもクレジットカードでその場で使えます。会社設立の直後に一度だけ使いたい、という場合に便利です。
登録して継続利用することもできます。個人の登録利用は300円、法人は740円の登録費用がかかります。取引先を頻繁に調べるなら、こちらのほうが使いやすくなります。
登記情報提供サービスは、会社設立を考えている段階でも役に立ちます。同業の会社の登記簿を見れば、事業目的にどういう文言を使っているかが分かります。定款の目的を書くときの参考になるので、1件330円は安い投資です。
提出先から「登記事項証明書」と言われたら、登記情報提供サービスで印刷したものでは足りません。会社設立の手続きでは、必ず法務局の証明書を用意してください。
出典(一次情報)民事法務協会 登記情報提供サービス「利用料金」2026年9月15日確認
まとめ

登記事項証明書は、会社設立の直後にいちばんよく使う書類です。種類は三つ、取り方は三通り。迷ったら履歴事項全部証明書を、オンラインで請求するのが安く済みます。
- 登記事項証明書は、昔の登記簿謄本に当たるもの。呼び方が違うだけで同じものを指す。
- 種類は履歴事項全部証明書、現在事項全部証明書、代表者事項証明書。迷ったら履歴事項。
- 手数料は書面請求600円、オンライン請求で郵送520円、窓口受取490円。
- 会社の印鑑証明書は書面請求500円、オンライン請求で郵送450円、窓口受取420円。
- どの法務局でも取れる。管轄が関係するのは申請のときだけ。
- 会社設立の直後は3通から5通は使う。まとめて取ると効率的。
- 登記情報提供サービスは1件330円で安いが、証明書としては使えない。
会社設立の登記が終われば、証明書はいつでも取れるようになります。必要になったときに取ればいいので、最初に取りすぎる必要はありません。ただし、手続きが立て込む時期は先にまとめておくほうが楽です。
ここに挙げた手数料は2026年9月15日時点で、法務省「登記手数料について」にあたって確かめたものです。令和7年4月1日から改定されているので、古い記事の金額とは違うことがあります。会社設立の手続きを進める前に、法務省のページで確かめてください。
出典(解説)名義変更ナビ「会社・法人の登記簿謄本(履歴事項全部証明書)の取り方」2026年9月15日確認
まとめて取れば、何度も行かずに済みます
会社設立の登記が完了したら、登記事項証明書と会社の印鑑証明書を必要な通数まとめて取ってください。1通ずつ取りに行くと、手数料も交通費も往復の時間も重なります。オンライン請求なら法務局に行かずに済みますし、手数料も安くなります。
会社設立の直後にすることを一覧で知りたいなら、そちらを扱った記事に進んでください。登記情報提供サービスの使い方については、それを扱った記事があります。
登記のあとに待っている、税務・社会保険まで任せられる所
会社設立の登記が終わっても、税務署への届出や社会保険の手続きは残ります。定款の内容によって決算期も変わるので、登記と合わせて相談先を決めておくと迷いません。※弊社調べになります。
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