会社設立の登記が完了したらすること|証明書を取って、各所へ届け出るまで
会社設立の登記が終わったあとにすることを並べます。登記事項証明書と印鑑証明書を取り、定款の写しと合わせて各所へ届け出る流れを扱います。
会社設立の登記が完了した、あるいはもうすぐ完了するという段階の人に向けた記事です。登記が終わればひと段落だと思っていたら、まだ手続きが残っていると知って焦っている人が対象です。期限のあるものから順に並べています。
会社設立の登記が完了すると、大きな山は越えています。ただし、そこで終わりではありません。むしろ、登記事項証明書が取れるようになってから始まる手続きがいくつもあります。期限が短いものもあるので、順番を決めて片づけていきましょう。
まず印鑑カードと証明書を取る

会社設立の登記が完了したら、まず法務局に行きます。印鑑カードを受け取り、登記事項証明書と会社の印鑑証明書を取るためです。このあとの手続きは、ほとんどがこの証明書を求めます。
印鑑カードは、印鑑カード交付申請書を出すともらえます。費用はかかりません。様式は法務局のページから落とせるので、書いて持って行くと窓口での時間が短くなります。
申請書には、会社の商号、本店、会社法人等番号、代表者の氏名などを書き、届け出た会社の実印を押します。会社法人等番号は登記事項証明書に載っているので、先に1通取るという順番でも構いません。
カードはその場で発行してもらえることが多くあります。受け取ったら、会社の印鑑証明書を請求できるようになります。カードがないと印鑑証明書は取れません。
登記事項証明書は、窓口での書面請求で1通600円です。オンライン請求なら郵送520円、窓口受取490円になります。会社設立の直後は何通も使うので、手数料の差が効いてきます。
会社の印鑑証明書は、書面請求で1通500円です。オンライン請求なら郵送450円、窓口受取420円です。こちらも複数通必要になります。
証明書は、必要な通数をまとめて請求してください。税務署、都道府県税事務所、市町村、年金事務所、銀行と出す先が続きます。1通ずつ取りに行くと、手数料も交通費も往復の時間も重なります。
登記事項証明書には種類があります。履歴事項全部証明書、現在事項全部証明書、代表者事項証明書。会社設立の直後は中身がほとんど同じですが、履歴事項全部証明書を指定されることが多いので、迷ったらそれにしてください。

このときに、登記簿の内容が申請したとおりになっているかも確かめてください。商号、本店、目的、資本金の額、役員。会社設立の登記は登記官が審査していますが、こちらの書き間違いはそのまま登記されます。
出典(解説)松尾会計事務所「会社設立後に法務局で行う印鑑カードや各証明書の取得方法」2026年9月15日確認
税務署に出すもの

会社設立の登記が完了したら、税務署に届出をします。会社ができたことを知らせる手続きです。個人事業の開業届に当たるものだと考えてください。
まず法人設立届出書です。会社の商号、本店、代表者、事業の内容、資本金の額などを書きます。定款の写しを添えることが多く、登記事項証明書を求められることもあります。
提出の期限があります。会社設立の日から一定の期間内とされているので、登記が完了したら早めに出してください。期限は国税庁の案内で確かめられます。
次に青色申告の承認申請書です。これを出しておかないと、青色申告ができません。欠損金の繰越しなど、税務上の扱いが変わってきます。
青色申告の承認申請書には、法人設立届出書より厳しい期限があります。会社設立の日から一定の期間内、または最初の事業年度の終了の日の前日まで、といった定め方です。出し遅れると初年度から青色申告ができなくなります。
給与を払うなら、給与支払事務所等の開設届出書も要ります。役員報酬も給与に当たるので、代表者一人の会社でも必要です。源泉徴収の手続きに関わります。
源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書も、出しておくと楽になります。源泉徴収した所得税を、毎月ではなく半年に一度納められるようになる仕組みです。
都道府県税事務所と市町村にも、同じ趣旨の届出をします。法人住民税と法人事業税に関わる手続きです。様式と期限は自治体によって違います。
税務署に出す書類の様式は、国税庁のサイトから落とせます。記載例も用意されているので、会社設立の登記のときと同じように、様式と記載例を並べて書いていく形になります。定款の写しを添える書類が多いので、コピーを何部か作っておくと効率的です。
これらの手続きは、会社設立のあとの税務の入口です。判断に迷うところがあれば、税理士か税務署に確かめてください。会社設立の登記とは別の所管です。
出典(解説)税理士法人松本「会社設立後に税務署に届出が必要な手続きとは?」2026年9月15日確認
社会保険の手続き

会社設立の登記が完了したら、社会保険の手続きもあります。年金事務所に出す書類で、健康保険と厚生年金保険に関わります。
法人は、従業員がいなくても社会保険の適用事業所になります。代表者一人の会社でも加入の対象です。個人事業のときとは扱いが違うところです。
期限が短く設定されています。会社設立の日から数日以内、という定め方です。登記事項証明書を取ってからでは間に合わないこともあります。
実務では、事情を説明して受け付けてもらうことが多くあります。ただし、放っておいてよいわけではありません。登記が完了したら早めに動いてください。
出すのは、健康保険・厚生年金保険新規適用届です。あわせて、被保険者資格取得届も出します。役員や従業員それぞれについて出す書類です。
添えるのは、登記事項証明書です。会社が実在することを示すために求められます。だから登記の完了を待つことになるのです。
従業員を雇うなら、労働保険の手続きもあります。労働基準監督署とハローワークです。会社設立の直後に人を雇わないなら、そのときが来てからで構いません。
役員報酬をいくらにするかは、社会保険料にも税金にも影響します。会社設立の直後に決めることになるので、税理士に相談する価値があります。
扶養に入っていた人が代表者になる場合は、扶養から外れることになります。会社設立をきっかけに社会保険の負担が増える、という形です。役員報酬の額とあわせて、事前に見積もっておいてください。
手続きが複雑だと感じたら、社会保険労務士に頼むこともできます。会社設立の登記を司法書士に頼んだのと同じように、ここだけを外に出す選び方です。
出典(解説)弥生「会社設立後にやることは?」2026年9月15日確認
銀行口座の開設

会社設立の登記が完了したら、法人名義の銀行口座を作ります。資本金を入れていた発起人の個人口座から、会社の口座に移すためでもあります。
求められるのは、登記事項証明書、定款の写し、会社の印鑑証明書、代表者の本人確認書類といったところです。銀行によって違うので、事前に確かめてください。
会社設立の直後の会社は実績がありません。だから、事業の実態を確かめる書類を求められることがあります。事務所の賃貸借契約書、取引先との契約書、事業計画書、ホームページ。
審査に時間がかかることもあります。申し込んでから口座が使えるようになるまで、2週間以上かかることも珍しくありません。入金の予定があるなら、早めに動いてください。
断られることもあります。バーチャルオフィスを本店にしている、事業の内容が確かめにくい、といった理由です。会社設立の段階で本店をどこにするかを決めるとき、この点も考えておくと安心です。
ネット銀行のほうが開設しやすい、という話もあります。ただし取引先によっては、メガバンクや地方銀行の口座を求められることもあります。
口座ができたら、資本金を移します。発起人の個人口座に入れていたお金を、会社の口座に振り替える形です。会計上の処理は税理士に確かめてください。
会社の実印とは別に、銀行印を用意しておくと管理が楽になります。会社設立のときに実印と一緒に作っておくのが一般的です。
会社設立の登記が終わるまでに使った費用は、創立費や開業費として会社の経費にできる場合があります。領収証は日付が分かる形で残しておいてください。処理のしかたに決まりがあるので、税理士に確かめるのが確実です。
クレジットカードや決済サービスの申し込みも、口座ができてからになります。会社設立のあとの実務は、口座を起点に動き出します。
出典(解説)GMOあおぞらネット銀行「会社設立時の資本金の払込方法」2026年9月15日確認
許認可が要る事業の場合

許認可が必要な事業をするなら、会社設立の登記が完了してから申請します。建設業、古物商、旅行業、人材派遣、飲食業。業種によって所管の官庁が違います。
申請には、登記事項証明書と定款の写しを添えることが多くあります。会社が実在すること、その事業を目的に掲げていることを確かめるためです。
ここで効いてくるのが、定款の事業目的の文言です。申請する事業に対応した文言が入っていないと、許可が下りません。目的を足すには定款変更と登記のやり直しが要ります。
だから、会社設立の前に許可の窓口に文言を確かめておくべきなのです。あとから気づくと、定款変更と目的の変更登記で3万円の登録免許税と、そのぶんの日数がかかります。
許可が下りるまでの日数も業種によって違います。1か月以上かかるものもあるので、営業を始められる日はさらに先になります。
個人事業で取っていた許可は、原則として会社には引き継げません。法人成りの場合は、会社として取り直すことになります。その間に営業ができない期間が生まれることもあります。
許可の要件として、一定の資格を持つ人を置くことや、事務所の広さが求められることもあります。会社設立の準備の段階で確かめておいてください。
行政書士が許認可の申請を扱っています。複雑な業種なら、そこを頼むという選び方もあります。会社設立の登記とは別の手続きなので、担当する専門家も変わります。
許認可の有無は、会社設立の日取りにも影響します。許可が下りるまでの日数を見込んで、逆算して登記の日を決めることになります。
出典(解説)弥生「定款の事業目的の書き方は?」2026年9月15日確認
期限の順に並べる

会社設立の登記が完了したあとの手続きは数が多いので、期限の順に並べて片づけていくのが効率的です。

いちばん期限が短いのが社会保険です。会社設立の日から数日以内という定めなので、登記が完了したらすぐ動くことになります。
青色申告の承認申請書も期限があります。これを逃すと初年度から青色申告ができないので、税務上の不利が大きくなります。
法人設立届出書は、それより少し余裕があります。ただし忘れやすいので、他の手続きと一緒に片づけてください。
銀行口座は期限があるわけではありませんが、審査に時間がかかります。入金の予定があるなら、会社設立の登記が完了したらすぐ申し込んでください。
許認可も期限はありませんが、許可が下りるまで営業できない業種があります。会社設立の予定を立てるときに、ここまで見込んでおいてください。
証明書は、これらの手続きで何通も使います。まとめて取っておけば、そのつど法務局に行かずに済みます。
出典(解説)ベンチャーサポート「会社設立後のやることリスト」2026年9月15日確認
定款の写しも使う

会社設立の登記が終われば定款はしまい込んでいい、というものではありません。あとの手続きで写しを求められることがよくあります。
求められる理由は、登記簿に載らない事項を確かめたいからです。事業年度、株式の譲渡制限の細かい定め、公告の方法。こうしたものは定款にしか書かれていません。
税務署への法人設立届出書には、定款の写しを添えるのが一般的です。事業年度がいつからいつまでかを確かめるためでもあります。
銀行口座の開設でも、定款の写しを求められることが多くあります。会社の実体を確かめる材料のひとつとして使われます。
許認可の申請でも、定款の写しが要ります。申請する事業が目的に入っているかを見られるので、会社設立の段階で文言を確かめておくことが大事になります。
株式会社なら、公証役場で認証を受けた謄本を保管しておいてください。なくすと再発行に手数料がかかります。
合同会社なら、作った定款そのものを保管します。認証がないので、会社が持っているものが原本ということになります。
電子定款にした場合は、受け取ったデータを保管します。印刷したものとデータの両方を残しておくと安心です。
会社設立のあとに定款を変えたときは、変更後の内容が分かるものを用意することになります。株主総会の議事録と合わせて保管してください。
出典(解説)弥生「定款とは?作り方と意味、記載事項をわかりやすく解説」2026年9月15日確認
まとめ

会社設立の登記が完了したら、まず印鑑カードを受け取り、登記事項証明書と会社の印鑑証明書をまとめて取ります。このあとの手続きは、ほとんどがこの証明書を求めます。
- 印鑑カードは印鑑カード交付申請書を出せばもらえる。費用はかからない。
- 登記事項証明書は書面請求で1通600円、会社の印鑑証明書は500円。まとめて取る。
- 社会保険の手続きは期限がいちばん短い。法人は役員一人でも加入の対象。
- 青色申告の承認申請書には期限がある。出し遅れると初年度から青色申告ができない。
- 法人設立届出書は税務署・都道府県・市町村へ。定款の写しを添えることが多い。
- 銀行口座の開設は審査に時間がかかる。早めに申し込む。
- 許認可は登記の完了を待って申請する。定款の事業目的の文言が効いてくる。
会社設立の登記が終わったところで気が抜けてしまい、そのあとの届出を忘れる人がいます。期限のあるものが混ざっているので、完了したらその日のうちに予定を組んでください。
ここに挙げた手数料は2026年9月15日時点で法務省の案内にあたって確かめたものです。届出の期限や様式は制度の見直しがあるので、実際に手続きをする前に、国税庁・日本年金機構・自治体の案内を確かめてください。判断に迷うところは、税理士や社会保険労務士に相談するのが確実です。
出典(解説)ひとりでできる会社設立「会社設立後の届出書類一覧」2026年9月15日確認
証明書をまとめて取るところから始めてください
会社設立の登記が完了したあとの手続きは、数が多くて気が重くなります。でも、どれも登記事項証明書と印鑑証明書があれば進められるものばかりです。まず必要な通数を数えて、まとめて取りに行ってください。それだけで半分は片づいたようなものです。
登記事項証明書の種類や取り方を詳しく知りたいなら、そちらを扱った記事に進んでください。印鑑カードについては、印鑑届書を扱った記事があります。
登記のあとに待っている、税務・社会保険まで任せられる所
会社設立の登記が終わっても、税務署への届出や社会保険の手続きは残ります。定款の内容によって決算期も変わるので、登記と合わせて相談先を決めておくと迷いません。※弊社調べになります。
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