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会社設立の登記と定款ガイド 申請書の書き方から公証役場・法務局まで
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会社設立 登記 流れ 全体像

会社設立の登記までの全体像|決める・作る・認証・払込・申請の順に追う

商号を決めるところから登記完了までを一本の流れとして並べます。会社設立の登記は定款の作成と認証が先に来るので、順番を間違えると戻れません。

公開 2026.09.15 一次情報の確認日 2026年9月15日 本文 約6,300字
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会社を作ると決めたものの、何をどの順にやればいいのかが見えていない人に向けた記事です。個別の書類の書き方ではなく、全体の道筋をつかむことを目的にしています。株式会社と合同会社のどちらにするかがまだ決まっていなくても読めるように書きました。

会社設立の手続きは、工程の数はそれほど多くありません。ただ、順番が決まっていて、飛ばせないところがあります。とくに定款は、作って認証を受けてからでないと次に進めません。ここでは全体を一本の線にして、どこで何が決まるのかを追っていきます。

全体は六つの工程に分けられる

全体は六つの工程に分けられる

会社設立の手続きを大きく分けると、六つになります。基本的なことを決める、定款を作る、定款の認証を受ける、資本金を払い込む、登記を申請する、登記が完了する。この順です。

このうち、定款の認証は株式会社だけの工程です。合同会社では認証が要らないので、定款を作ったらそのまま払込に進めます。そのぶん日数も費用も減ります。

順番が決まっているのには理由があります。定款に書いた資本金の額をもとに払い込みをするので、定款が先です。登記の申請書には定款の内容を写すので、定款が先です。そして登記をしないと会社は生まれないので、登記は最後になります。

会社設立の登記までの六つの工程を並べたフロー図
この順番は入れ替えられません。定款が固まらないかぎり、その先には進めない作りになっています。

日数の目安としては、準備を含めて2週間から3週間、登記の申請から完了までにさらに1週間前後です。公証役場の予約が取りにくい時期や、年度末のように法務局が混む時期はもう少しかかります。

会社設立を急ぐ人がよく聞くのが「最短で何日か」です。定款の内容が完全に固まっていて、電子定款を使い、公証役場の予約がすぐ取れて、窓口で申請するなら、決めてから登記の申請までを数日に縮めることもできます。ただしそれは準備が全部整っている場合の話で、初めての人がそこまで走るのは現実的ではありません。

どこがいちばん時間を食うかというと、最初の「決める」です。商号と事業目的は、決めてしまえば定款も申請書も一気に埋まります。逆にここが定まらないと、いつまでたっても先に進みません。

出典(解説)GVA 法人登記「会社設立〜法人登記の流れや手順を解説」2026年9月15日確認

最初に決める六つのこと

最初に決める六つのこと

会社設立で最初に決めるのは、次の六つです。どれも定款に書くことになり、そのうちのいくつかは登記簿にも載ります。

商号は会社の名前です。株式会社か合同会社かを表す言葉を必ず入れます。使える文字が決まっていて、記号や絵文字は使えません。同じ住所に同じ商号の会社があると登記できないので、先に調べておきます。

事業目的は、その会社が何をするかです。定款に書いた目的が、そのまま登記簿に載ります。許認可が必要な事業なら、許可の窓口が求める文言が入っているかを確かめてください。数は5個から10個くらいに収めるのが一般的です。

本店の所在地は、どの法務局に登記を出すか、どの都道府県の公証役場で定款の認証を受けるかを決めます。定款には最小行政区画まででも足りますが、登記簿には番地まで載ります。

資本金は会社の元手です。1円からでも会社設立はできますが、実際には当面の運転資金を入れます。登録免許税の計算のもとにもなりますが、2,143万円くらいまでは最低額の15万円で変わりません。

資本金の額は、消費税の扱いにも関わります。資本金1,000万円未満で会社設立をすると、原則として設立から一定の期間は消費税の納税義務が免除される仕組みがあります。条件があり制度も見直されてきているので、当てはまるかどうかは国税庁の案内か税理士に確かめてください。登記の手続きそのものには影響しませんが、金額を決めるときの材料になります。

役員は、株式会社なら取締役と代表取締役、合同会社なら業務執行社員と代表社員です。誰がなるかで、会社設立のときに添える印鑑証明書の枚数が変わります。事業年度は決算期をいつにするかで、定款に書きますが登記簿には載りません。

出典(解説)Airレジ マガジン「会社設立の方法や流れは?」2026年9月15日確認

定款を作る——絶対に書く事項と、書けば効く事項

定款を作る——絶対に書く事項と、書けば効く事項

定款は会社の決まりごとを書いた書類です。会社設立では、ここが実質的な作業のいちばん重いところになります。書く内容は三つに分かれます。

絶対的記載事項は、必ず書かなければならないものです。株式会社なら、目的、商号、本店の所在地、設立に際して出資される財産の価額またはその最低額、発起人の氏名または名称および住所。これに発行可能株式総数が加わります。どれか一つでも欠けると定款そのものが無効になります。

相対的記載事項は、書かなくても定款は有効ですが、書かないとその効力が生じないものです。株式の譲渡制限、取締役の任期の伸長、現物出資、財産引受けなどがこれに当たります。会社設立のときに株式の譲渡制限を入れておくかどうかは、機関設計にも関わってくる判断です。

任意的記載事項は、書いても書かなくてもよく、書かなくても効力に影響しないものです。事業年度や役員の報酬の決め方などがここに入ります。取り扱いをはっきりさせておきたいから書く、という位置づけです。

定款の絶対的記載事項・相対的記載事項・任意的記載事項を比べた表
まず絶対的記載事項をそろえること。そのうえで、必要な相対的記載事項を足していきます。

合同会社の定款は、株式会社とは作りが違います。株式がないので発行可能株式総数は出てきませんし、発起人ではなく社員という言い方になります。絶対的記載事項も、目的・商号・本店の所在地・社員の氏名住所・社員が有限責任である旨・出資の目的と価額、という並びです。会社設立でどちらを選ぶかで、定款の骨組みから変わります。

ゼロから書く必要はありません。法務局や公証役場、各社が配っているひな形があります。ひな形をもとに、自分の会社設立に合わせて商号、目的、本店、資本金、役員の部分を直していくのが現実的な作り方です。

出典(解説)アイシア法律事務所「定款とは|絶対的・相対的・任意的記載事項」2026年9月15日確認

株式会社だけの工程——公証役場での定款認証

株式会社だけの工程——公証役場での定款認証

株式会社の定款は、公証人の認証を受けないと効力が生じません。会社設立の登記に添えるのも、認証を受けた定款です。合同会社にはこの工程がありません。

行き先は、本店の所在地と同じ都道府県にある公証役場です。どこでもいいわけではありません。日本公証人連合会のサイトに全国の公証役場の一覧があるので、そこから探します。

手数料は資本金の額で決まります。資本金100万円未満なら3万円、100万円以上300万円未満なら4万円、それ以外は5万円です。令和6年12月1日からは、発起人が3人以下の自然人だけで、発起人が設立時発行株式の全部を引き受け、取締役会を置かない、という条件を全部満たすと1万5,000円になる仕組みも設けられました。

当日の流れとしては、多くの公証役場が事前に定款の案をメールやファクスで送るよう求めています。公証人が先に目を通して、直すところがあれば連絡が来ます。その上で日を決めて行く、という段取りです。いきなり持ち込むと出直しになります。

持っていくのは、定款、発起人全員の印鑑証明書、実質的支配者についての申告書、手数料、発起人の実印です。代理人が行くなら委任状も要ります。印鑑証明書は会社設立の登記でも使うので、まとめて取っておくと二度手間になりません。

認証が終わると、定款の謄本を受け取ります。会社設立の登記に添えるのはこの謄本です。謄本代は1ページあたりの単価で計算されるので、条文が多い定款ほど高くなります。何通もらうかは、登記に1通、手元に1通、というのが一般的な考え方です。

紙の定款だと、そこに収入印紙4万円を貼ることになります。電子定款にすればこれがかかりません。電子定款にする場合も公証役場での認証は必要ですが、印紙代がまるごと浮きます。

出典(一次情報)日本公証人連合会「会社の定款手数料の改定」2026年9月15日確認
資本金100万円未満3万円、100万円以上300万円未満4万円、それ以外5万円。令和6年12月1日からは条件を満たすと1万5,000円。

資本金を払い込む——順番を間違えない

資本金を払い込む——順番を間違えない

定款ができたら、資本金を払い込みます。会社設立の登記で「払込があったことを証する書面」を添えるためです。

ここで戸惑うのが、振込先です。会社はまだ存在していないので、会社名義の口座はありません。だから発起人の個人口座に振り込みます。既存の口座で構いませんが、振込の記録が通帳に残る形にする必要があります。

自分ひとりが発起人の場合でも、口座にお金が入っているだけでは足りません。自分の口座に自分から振り込んで、記帳に名前が出る形にします。ATMから現金で入金すると名前が出ないことがあるので、振込にするのが確実です。

順番は、定款を作ったあとに払い込む、が原則です。定款の作成日より前の入金だと、払込として認められないことがあります。実務では、発起人全員の同意書の日付以降であれば受け付けられる扱いもありますが、迷うところを作らないためにも定款のあとに動くのが安全です。

払込証明書は、代表取締役が作ります。払込があった総額と株式数、日付を書き、会社の実印を押します。これに通帳の表紙、口座番号が印字されているページ、振込の記帳があるページのコピーを綴じて、契印を押します。

発起人が複数いる場合は、それぞれが自分の分を振り込みます。誰がいくら出したかが通帳の記帳で分かる形にしておいてください。まとめて一人が入れてしまうと、会社設立の登記で説明を求められることがあります。

金額は定款と合わせる

払込証明書に書く金額は、定款に書いた設立に際して出資される財産の価額と一致していなければなりません。申請書の課税標準金額とも合わせます。会社設立の登記で補正になる原因として、ここの食い違いはよくあるものです。

振り込む金額も、きっちりその額にしてください。多くても少なくても説明が要ります。

出典(解説)freee「払込証明書は会社設立登記の申請に必要!」2026年9月15日確認

登記を申請する——ここで会社が生まれる

登記を申請する——ここで会社が生まれる

書類がそろったら、本店を管轄する法務局に登記を申請します。会社設立の登記は、ここで初めて会社を作る行為になります。

申請書の様式は法務局のページにあります。株式会社は4種類あって、取締役会を置くかどうかと、発起設立か募集設立かで選びます。合同会社は1種類です。Word と PDF の両方が置かれていて、記載例つきの PDF も同じ場所から取れます。

添えるのは、定款、払込証明書、就任承諾書、設立時取締役の印鑑証明書、印鑑届書など。取締役会を置かない発起設立ならこの顔ぶれです。機関設計によって増減します。登録免許税は収入印紙を台紙に貼って綴じます。

出し方は窓口、郵送、オンラインの三つです。会社設立の日を狙った日にしたいなら、窓口かオンラインが確実です。郵送は到着日が受付日になるので、日にちを読みにくくなります。

受け付けられた日が会社の設立日です。登記が完了した日ではありません。法務局は平日しか開いていないので、土日祝日を設立日にすることはできません。

申請したあとに法務局から電話がかかってくることがあります。これが補正の連絡で、書類に軽い不備があるので直してほしいという意味です。期限内に直せば受け付けてもらえます。放っておくと取り下げ扱いになり、納めた登録免許税が無駄になることがあるので、連絡先の電話番号は日中つながる番号にしておいてください。

申請してから完了までは、1週間前後が目安です。法務局ごとに登記完了予定日が公表されているので、申請の前に見ておくと予定が立てやすくなります。

出典(一次情報)法務局「商業・法人登記の申請書様式」2026年9月15日確認

登記が完了してから動くもの

登記が完了してから動くもの

登記が完了すると、登記事項証明書が取れるようになります。会社設立のあとの手続きは、ほとんどがこの証明書を必要とします。

まず印鑑カードの交付を受けます。印鑑届書を出していれば、印鑑カード交付申請書を法務局に出すことでカードがもらえます。費用はかかりません。このカードがないと会社の印鑑証明書が取れません。

そのうえで、登記事項証明書と会社の印鑑証明書を必要な通数だけ取ります。税務署、都道府県税事務所、市町村、年金事務所、銀行。出す先を数えてまとめて請求するほうが、手数料も交通費も抑えられます。

税務署には法人設立届出書を出します。給与を払うなら給与支払事務所等の開設届出書も要ります。青色申告の承認申請書には期限があるので、出し遅れないようにしてください。

社会保険は年金事務所です。法人は役員一人でも加入の対象になります。期限が短く設定されているので、登記が完了したら早めに動くことになります。

許認可が要る事業なら、そちらも登記の完了を待って動きます。建設業や古物商のように、登記事項証明書と定款の写しを添えて申請するものが多くあります。定款の事業目的にその事業に対応した文言が入っていないと、そこでやり直しになります。会社設立の前に、許可の窓口に文言を確かめておくのが確実です。

銀行口座の開設は、会社設立の直後はどうしても時間がかかります。登記事項証明書、定款の写し、印鑑証明書に加えて、事務所の契約書や取引先との契約書を求められることもあります。用意できるものを先にそろえておくと話が早くなります。

出典(解説)弥生「会社設立後にやることは?」2026年9月15日確認

まとめ

まとめ

会社設立の登記までの道のりは、決める・作る・認証・払込・申請・完了の六つです。株式会社は六つ、合同会社は認証を抜いた五つになります。順番は動かせません。

  • 最初に決めるのは、商号・事業目的・本店・資本金・役員・事業年度の六つ。
  • 定款には絶対的記載事項を必ず書く。欠けると定款そのものが無効になる。
  • 株式会社の定款は、本店と同じ都道府県の公証役場で認証を受ける。手数料は3万円から5万円。
  • 資本金は定款を作ったあとに、発起人の個人口座へ振り込む。金額は定款と合わせる。
  • 登記の申請が受け付けられた日が会社の設立日。完了した日ではない。
  • 完了したら印鑑カードを受け取り、証明書を取って税務署・年金事務所・銀行へ。

ここに書いた金額や日数は2026年9月15日時点で確かめたものです。公証役場の混み具合や法務局の登記完了予定日は時期によって変わります。会社設立の日取りを決める前に、公証役場と法務局のそれぞれに確かめてください。判断に迷うところは、法務局の登記手続案内が無料で使えます。

出典(解説)弥生「会社設立までにかかる期間は?」2026年9月15日確認

全体が見えたら、いちばん重いところから手をつけてください

会社設立でいちばん時間がかかるのは、実は書類を書くところではありません。商号と事業目的を決めるところです。ここが固まれば、定款も申請書も一気に埋まります。逆にここが決まらないと、何日たっても先に進みません。

次に読むなら、定款に必ず書く事項を扱った記事か、自分が作ろうとしている会社の設立登記申請書の書き方の記事がおすすめです。株式会社と合同会社のどちらにするかで迷っているなら、認証の要否を比べた記事から入ってください。

登記のあとに待っている、税務・社会保険まで任せられる所

会社設立の登記が終わっても、税務署への届出や社会保険の手続きは残ります。定款の内容によって決算期も変わるので、登記と合わせて相談先を決めておくと迷いません。※弊社調べになります。

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