登記情報提供サービスの使い方と料金|一時利用で登記の中身を画面で見る
登記情報提供サービスで登記の内容を画面で見る方法と料金です。会社設立の確認には便利ですが、定款や登記事項証明書の代わりにはならない点を押さえます。
会社設立の登記のあとに取る登記簿謄本(登記事項証明書)について、謄本とは何か、いつから取れるか、取得の方法と手数料、どこに何が書いてあるか、登記情報提供サービスでの閲覧、会社の検索、英語で求められたときの扱いまでをまとめます。
会社設立の登記を済ませた、またはもうすぐ済む人で、銀行や取引先から「謄本を出してください」と言われて何を取ればいいのか迷っている人に向けた記事です。登記簿謄本と登記事項証明書の関係、いつから取れるか、どこでいくらで取れるか、画面で見るだけならどうするか、英語で求められたらどうするかまで、謄本まわりのことを一つにまとめました。
会社設立のあと、いちばんよく使う書類が登記簿謄本です。銀行の口座開設、税務署や年金事務所への届出、取引先との契約、融資の申し込み。どこでも「謄本」と言われますが、いま法務局で取れるのは登記事項証明書という名前の書類です。何を、いつ、どうやって取るのか。中身をどう読み、取らずに確かめるならどうするのか。順に見ていきます。

会社設立のあとで「謄本」と言われたら、法務局で取る登記事項証明書のことだと考えてください。登記簿が紙だったころは、登記簿を写した書類を登記簿謄本と呼んでいました。登記簿がコンピュータに移ったいまは、正式には登記事項証明書と呼びます。中身の役割は同じです。
登記事項証明書には、いくつかの種類があります。会社設立の直後によく使うのは、履歴事項全部証明書、現在事項全部証明書、代表者事項証明書の三つです。

履歴事項全部証明書には、いま効力のある事項に加えて、請求した日の3年前の日が属する年の1月1日以降に変わったり消えたりした事項も載ります。会社設立の直後なら変更の履歴はまだないので、現在事項全部証明書とほぼ同じ内容です。それでも、提出先が「謄本」「履歴事項」と言っているなら履歴事項全部証明書を取っておけば間違いありません。
登記事項証明書は、自分の会社の分でなくても、誰でも手数料を納めれば取れます。取引先の会社の登記を確かめたいときにも使える書類です。
なお、登記簿謄本と定款は別の書類です。定款は会社が自分で作って保管する根本の決まりで、登記簿は法務局が公示する記録です。提出先から両方を求められることもよくあるので、定款の写しもすぐ出せるようにしておいてください。
出典(一次情報)法務省「商業・法人登記 Q&A」2026年10月18日確認
登記事項証明書には、現在事項証明書、履歴事項証明書、閉鎖事項証明書、代表者事項証明書があるとされています。

会社設立の登記簿謄本が取れるのは、登記が完了してからです。会社設立日、つまり登記を申請した日にはまだ取れません。法務局の審査が終わって登記簿に記録されるまで、証明書は出ないからです。
申請から完了までの日数は、法務局と時期によって違います。1週間ほどで完了する庁もあれば、申請が集中する時期の大きな庁では1か月近くかかることもあります。管轄の法務局のサイトで公表されている登記完了予定日を見て、そのころに取りに行く段取りを組んでください。
完了したかどうかが分からないまま法務局へ行くと、無駄足になることがあります。心配なら、行く前に法務局に電話で聞くか、法人番号公表サイトに会社が載っているかを確かめてから出かけると確実です。
完了したら、印鑑カードの交付を受けるのと同じ日に、登記事項証明書と会社の印鑑証明書をまとめて取るのが効率的です。銀行、税務署、年金事務所、取引先と、設立の直後には3通から5通ほど使うことが多くあります。
提出先によっては「発行から3か月以内のもの」といった条件が付きます。一度にたくさん取りすぎると、使うころには期限切れということも起こるので、すぐに使う分だけ取り、あとは必要になったときに取り足すのが無駄のない取り方です。

出典(一次情報)法務局「登記事項証明書(会社・法人)を取得したい方」2026年9月15日確認
証明書は管轄に関係なく、どこの法務局でも請求できます。

登記簿謄本の取得方法は、法務局の窓口、郵送、オンラインの三つです。どの方法でも、取れる証明書の中身は同じです。違うのは手数料と、手元に届くまでの時間です。
窓口なら、法務局に備え付けの交付請求書に会社の商号と本店、欲しい証明書の種類と通数を書き、収入印紙を貼って出します。多くの場合その場で受け取れます。管轄でない法務局でも取れるので、近くの法務局で構いません。手数料は1通600円です。
郵送なら、交付請求書と収入印紙、返信用の封筒と切手を法務局に送ります。手数料は窓口と同じ600円で、往復の郵送の日数がかかります。
オンラインなら、登記・供託オンライン申請システムから請求し、手数料はインターネットバンキングなどで電子納付します。郵送で受け取れば1通520円、最寄りの法務局や証明サービスセンターの窓口で受け取れば490円です。受付は平日の午前8時30分から午後9時までで、午後5時15分を過ぎた請求は翌開庁日の受付になります。

会社の印鑑証明書は、書面請求で1通500円、オンライン請求で450円か420円です。こちらは印鑑カードが要るので、登記の完了後に印鑑カードの交付を受けてから請求します。
それぞれの取り方の手順と、何通取ればよいかの考え方は、別の記事でくわしく扱っています。
くわしくはこちらの記事登記事項証明書(登記簿謄本)の取り方と費用|三つの種類と、窓口・郵送・オンライン登記事項証明書の取り方と手数料をまとめます。会社設立の直後は使う場面が多く、定款の写しとセットで求められることもあります。出典(一次情報)法務省「登記手数料について」2026年9月15日確認
1通の枚数が50枚を超えると、50枚ごとに100円が加算されます。会社設立の直後の証明書でそこまで枚数がかさむことはまずありません。

登記事項証明書には、上から順に会社の基本的な事項が並んでいます。会社法人等番号、商号、本店、公告をする方法、会社成立の年月日、目的、発行可能株式総数、発行済株式の総数、資本金の額、株式の譲渡制限に関する規定、役員に関する事項、といった順番です。
このうち、商号・本店・目的・発行可能株式総数・株式の譲渡制限・公告の方法は、定款に書いた内容がそのまま登記されています。本店は、定款では市区町村までしか書かないことが多いのに対し、登記簿には番地まで載ります。
会社成立の年月日には、登記の申請日が載ります。このサイトの考え方どおり、会社設立日=登記申請日です。2026年2月からの特例で休日を指定した場合は、その休日が載ります。
役員に関する事項には、取締役の氏名、代表取締役の氏名と住所、就任の年月日などが載ります。資本金の額は、払込みを証する書面の金額と一致しているはずです。

反対に、定款にあっても登記簿には載らない事項もあります。事業年度、取締役の任期、株主総会の招集の手続き、発起人の氏名などです。事業年度を知りたい相手には、登記簿ではなく定款の写しを見せることになります。
くわしくはこちらの記事登記事項証明書の読み方|どこに何が書いてあり、定款のどこから来ているか登記事項証明書を開いたときに、どの欄に何が書いてあるのかを上から順に読み解きます。会社設立のときに作った定款のどこから来ている情報かも対応づけます。出典(一次情報)e-Gov法令検索「会社法」2026年9月15日確認
登記事項の多くは定款に書いた内容と一致します。定款にあって登記簿にない事項もあります。

登記簿の中身を見たいだけで、証明書として出す必要がないなら、登記情報提供サービスを使って画面で閲覧する方法があります。一般財団法人民事法務協会が運営する有料のサービスで、法務局が持っている登記の情報をインターネットで確かめられます。
料金は、商業・法人登記情報の全部事項で1件330円です。書面請求の登記事項証明書600円より安く、法務局に行かずにその場で見られます。登録せずに使える一時利用と、事前に登録する登録利用があり、たまに使うだけなら一時利用で足ります。
利用時間は、平日は午前8時30分から午後11時まで、土日祝日も午前8時30分から午後6時まで使えます。法務局の窓口が閉まっている時間や休日にも見られるのが利点です。
いちばん注意したいのは、証明書の代わりにはならないことです。画面を印刷したものには登記官の証明が付かないので、銀行や役所に出す書類としては使えません。会社設立の準備で同業の会社の目的の書き方を調べる、取引先の役員や本店を確かめる、自分の会社の登記が完了したかを見る、といった調べものに向いています。

このほか、法務局の窓口で取れる登記事項要約書(1通500円)という書面もありますが、証明文が付かず、会社設立の直後の手続きで使う場面はまずありません。
くわしくはこちらの記事登記情報提供サービスの使い方と料金|一時利用で登記の中身を画面で見る登記情報提供サービスで登記の内容を画面で見る方法と料金です。会社設立の確認には便利ですが、定款や登記事項証明書の代わりにはならない点を押さえます。出典(一次情報)民事法務協会 登記情報提供サービス「利用料金」2026年9月15日確認
利用時間は平日の午前8時30分から午後11時まで、土日祝日は午前8時30分から午後6時まで。12月29日から1月3日までは休業です。

会社の登記簿を取る前に、そもそもその会社がどこにどんな商号で登記されているかを検索したい場面があります。会社設立の準備で同じ商号の会社がないかを調べるときや、取引先の正確な本店を確かめるときです。
無料で使えるのが、登記・供託オンライン申請システムの「オンライン登記情報検索サービス」です。申請者情報を登録してログインすると、会社・法人の商号・名称、所在地、会社法人等番号を検索できます。商号調査のための検索だけなら手数料はかかりません。
ここで分かるのは、商号・所在地・会社法人等番号の三つだけです。目的、資本金、役員といった中身は出てきません。中身まで見たいなら、検索で見つけた会社を登記情報提供サービスで閲覧するか、登記事項証明書を取ります。
国税庁の法人番号公表サイトでも、商号・所在地・法人番号を無料で検索できます。こちらは登録が要りません。会社設立の登記が完了すると、原則として完了日の16時か翌稼働日の11時に公表されるので、自分の会社の登記が完了したかの目安にも使えます。
会社法人等番号(12桁)と法人番号(13桁)は別の番号です。会社法人等番号は法務局が登記簿に付ける番号で、法人番号は国税庁が指定する番号です。登記事項証明書の請求では、会社法人等番号が分かっていると商号と本店を書く代わりに使えて便利です。
出典(一次情報)法務省「オンライン登記情報検索サービスを利用した商号調査について」2026年10月18日確認
検索できるのは商号・所在地・会社法人等番号の三つだけで、それ以外の登記情報は確認できないとされています。

登記事項証明書を取ったら、提出先に出す前にいくつか確認しておきたいことがあります。一つは種類です。履歴事項全部証明書を求められているのに現在事項全部証明書を出すと、取り直しを求められることがあります。迷ったら、提出先に種類を聞いてから請求してください。
二つめは発行日です。銀行や役所の多くは、発行から3か月以内のものを求めます。会社設立の直後にまとめて取った証明書を、数か月後の手続きに使い回そうとすると期限を過ぎていることがあります。
三つめは中身です。会社設立の登記が完了して最初に取った証明書は、出す前に自分で一度読んでください。商号、本店、目的、資本金、役員、会社成立の年月日が定款や申請書のとおりになっているか。ここで誤りに気づければ、取引先に誤った謄本を渡さずに済みます。

会社設立の直後で、証明書を出す相手がまだ決まっていないなら、とりあえず2〜3通をオンライン請求で取り、足りなくなったら取り足すのが無駄のないやり方です。オンライン請求なら、窓口受取で1通490円、郵送受取で520円です。
出典(一次情報)法務省「オンラインによる登記事項証明書及び印鑑証明書の交付請求について(商業・法人関係)」2026年9月15日確認
オンライン請求では、請求書を送信したあとに表示される納付情報で手数料を納めます。

海外の取引先や金融機関、海外のサービスの登録で、会社の登記簿謄本を英語で出してほしいと言われることがあります。法務局が交付する登記事項証明書は日本語の書類なので、英語のものが欲しいときは、訳文を自分で用意することになります。
まずは、相手が何を求めているかを確かめてください。社内で作った英訳で足りるのか、翻訳者の署名が要るのか、公証人の認証や外務省の証明(公印確認・アポスティーユ)まで要るのか。求められる形式によって、手間と費用がまったく違います。
日本公証人連合会の説明では、登記事項証明書は公的機関が作った公文書なので、証明書そのものを公証人が認証することはできません。公文書を外国に出すときの公印確認やアポスティーユは、外務省で受け付けています。
一方で、英訳に公証人の認証が欲しい場合の方法も示されています。翻訳した人が、日本語と英語に通じていて誠実に翻訳したという宣言書を作って署名し、そこに英訳と登記事項証明書を添付して、その宣言書について公証人の認証を受けるというやり方です。

英訳を作るときは、商号のローマ字表記に気をつけてください。登記簿に載る商号は日本語ですが、定款で英文の表示を定めている会社もあります。定款に英文の商号があるならそれに合わせ、なければ会社として使う表記を決めて、名刺やウェブサイトとそろえておくと混乱しません。
出典(一次情報)日本公証人連合会「9-2 外国文認証」2026年10月18日確認
翻訳した人が誠実に翻訳した旨の宣言書(Declaration)を作って署名し、訳文と登記事項証明書を添付すれば、その宣言書について公証人の認証を受けられるとされています。
会社設立の登記簿謄本は、いまは登記事項証明書という名前で、登記が完了してから取れます。迷ったら履歴事項全部証明書を、オンライン請求の窓口受取で取るのがいちばん安く済みます。提出先ごとに種類と期限を確かめ、出す前に定款と見比べて中身を点検してください。
見るだけなら登記情報提供サービス、商号や所在地を探すだけなら無料の検索サービスで足ります。英語で求められたら、まず相手がどこまでの形式を求めているかを聞くところから始めてください。
登記のあとに待っている、税務・社会保険まで任せられる所
会社設立の登記が終わっても、税務署への届出や社会保険の手続きは残ります。定款の内容によって決算期も変わるので、登記と合わせて相談先を決めておくと迷いません。※弊社調べになります。
登記情報提供サービスで登記の内容を画面で見る方法と料金です。会社設立の確認には便利ですが、定款や登記事項証明書の代わりにはならない点を押さえます。
登記事項証明書の取り方と手数料をまとめます。会社設立の直後は使う場面が多く、定款の写しとセットで求められることもあります。
登記事項証明書を開いたときに、どの欄に何が書いてあるのかを上から順に読み解きます。会社設立のときに作った定款のどこから来ている情報かも対応づけます。
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