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電子定款 とは 印紙代4万円 不要

電子定款とは何か|印紙代4万円が不要になる仕組みを印紙税法から読む

紙の定款にかかる収入印紙が、電子定款では不要になる理由を印紙税法の側から見ます。会社設立の費用と登記の進め方に直結する話です。

公開 2026.09.15 一次情報の確認日 2026年9月15日 本文 約6,200字
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会社設立の費用を調べていて、電子定款にすると4万円浮くと知った人に向けた記事です。なぜそうなるのか、根拠は何なのかを確かめたい人が対象です。仕組みが分かると、電子定款にするかどうかの判断もしやすくなります。

電子定款にすると収入印紙の4万円がかからない。会社設立の記事でよく見る話ですが、なぜそうなるのかまで説明しているものは多くありません。理由は印紙税法の作りにあります。仕組みが分かると、誤解も解けます。

そもそも定款に印紙税がかかる理由

そもそも定款に印紙税がかかる理由

紙で定款を作ると、4万円の収入印紙を貼ることになります。これは会社設立の手数料ではなく、印紙税という税金です。

根拠は印紙税法です。別表第一に課税文書の一覧があって、第6号文書として定款が挙げられています。税額は4万円です。

対象になるのは、株式会社、合名会社、合資会社、合同会社、相互会社を設立するときに作られる定款の原本です。

「設立のとき」という限定があります。会社設立のときに一度だけ課されるもので、設立後に定款を変更したときの書面にはかかりません。

「原本に限る」という限定もあります。同じ内容の定款を3通作っても、課税されるのは原本の扱いになるものだけです。

非課税の扱いもあります。株式会社または相互会社の定款のうち、公証人法の規定により公証人が保存するもの以外のものは非課税とされています。

つまり、株式会社の場合は公証役場に保存される1通だけが課税の対象になります。会社の手元に残る謄本や、会社設立の登記に添える謄本には印紙は要りません。

合同会社には認証がないので、公証人が保存するという扱いがありません。作った定款そのものが原本になるので、そこに印紙を貼ります。

この4万円は、会社設立の登記で納める登録免許税とはまったく別の税金です。どちらも収入印紙で納めることがあるので混同されますが、性質が違います。

印紙税は文書を作ったことに対して課される税金で、登録免許税は登記を受けることに対して課される税金です。

会社設立の登記では、この二つを別々に納めることになります。定款に貼る印紙は公証役場に行く前に、登録免許税の印紙は登記を申請するときに。扱いも消印の要否も違うので、取り違えないでください。

出典(一次情報)国税庁「No.7141 印紙税額の一覧表(第5号文書から第20号文書)」2026年9月15日確認
第6号文書は「株式会社、合名会社、合資会社、合同会社または相互会社の設立のときに作成される定款の原本」で4万円。

電磁的記録は「文書」ではない

電磁的記録は「文書」ではない

電子定款に印紙税がかからない理由は単純です。印紙税が課されるのは文書だからです。

印紙税法は課税文書について定めています。文書という言葉には、電磁的記録が含まれていません。

つまり、定款をPDFなどの電磁的記録として作った場合、そこには課税文書が存在しないことになります。だから印紙税も課されません。

国税庁の質疑応答事例でも、この考え方が示されています。電磁的記録に変換した媒体を電子メールで送信しただけでは、課税文書を作成したことにはならないという趣旨です。

ファクスで送るのと同じ扱いだと説明されています。相手方に紙の文書が生まれていないので、課税文書の作成がないという理屈です。

この考え方は定款に限った話ではありません。電子契約で収入印紙が不要になるのも、同じ理屈によるものです。

会社設立の場面では定款がいちばん金額が大きいので目立ちますが、制度としては広く共通しています。

注意したいのは、電子定款を印刷して紙にした場合です。その紙が課税文書に当たるかどうかは、作成の経緯によります。

電子定款で会社設立の登記を申請する場合、添えるのは公証役場で交付を受けた同一の情報の提供です。合同会社なら、電子署名を付けたPDFそのものを添えます。どちらも紙の印紙とは無縁の扱いになります。

会社設立の実務では、電子定款のデータをそのまま扱うので、この問題はあまり起きません。ただし、印刷したものを原本として扱わないよう気をつけてください。

つまり電子定款の4万円は、優遇措置ではありません。課税の対象になる文書がそもそも存在しない、というだけの話です。

出典(一次情報)国税庁「質疑応答事例|変更契約書に電磁的記録を引用する旨の記載がある場合」2026年9月15日確認

よくある誤解を解く

よくある誤解を解く

電子定款については、いくつか誤解されていることがあります。会社設立の費用を見積もるときに効いてくるので、整理しておきます。

電子定款についてよくある誤解をまとめたチェックリスト
会社設立の費用を見積もるときは、この五つに注意してください。

いちばん多いのが、電子定款なら公証役場に行かなくていいという誤解です。株式会社なら、電子定款でも定款認証は必要です。

電子定款は印紙税の話であって、認証の要否とは別です。オンラインで完結するわけではなく、公証役場に出向いて認証を受けることになります。

次が、登録免許税も安くなるという誤解です。登録免許税は資本金の額で決まるもので、定款が紙かデータかには関係しません。

会社設立の登記で納める額は同じです。株式会社なら最低15万円、合同会社なら最低6万円。ここは動きません。

定款認証の手数料も変わりません。資本金の額で3万円から5万円。電子定款にしても同じです。

電子定款にすれば会社設立の登記もオンラインでなければならない、という誤解もあります。そんなことはありません。定款は電子、登記は窓口という組み合わせもできます。

合同会社なら印紙もかからない、という誤解もあります。認証が要らないのと印紙税は別の話で、紙で作れば4万円かかります。

出典(解説)弥生「電子定款とは?」2026年9月15日確認

何が浮いて、何が浮かないか

何が浮いて、何が浮かないか

電子定款にすると何が浮いて何が浮かないのかを、金額で整理しておきます。会社設立の費用を見積もるときに使えます。

浮くのは、紙の定款に貼る収入印紙4万円だけです。これは株式会社でも合同会社でも同じです。

浮かないのが、登録免許税です。株式会社の設立登記なら資本金の額の1,000分の7で、15万円が最低額。合同会社なら6万円です。

定款認証の手数料も浮きません。株式会社なら資本金の額に応じて3万円から5万円です。条件を満たせば1万5,000円になる仕組みはありますが、電子定款とは関係ありません。

定款の謄本代も浮きません。電子定款の場合は、同一の情報の提供を受けるための手数料という形でかかります。

登記事項証明書や印鑑証明書の手数料も変わりません。会社設立の登記が完了したあとに必要になるものです。

逆に、電子定款にすると新たにかかるものもあります。ICカードリーダーが数千円。持っていなければ買うことになります。

電子定款の作成を行政書士や司法書士に頼むなら、その報酬がかかります。依頼料が4万円より安ければ得になる計算です。

自分で作るなら、道具代の数千円を除いて4万円が丸ごと浮きます。会社設立の費用としてはかなり大きい金額です。

合同会社を電子定款で作れば、定款まわりの費用がゼロになります。認証手数料も謄本代も印紙代もかからないからです。

出典(解説)弥生「会社設立費用はいくら?株式会社・合同会社の法人設立費用を比較解説」2026年9月15日確認

会社設立の費用にどう効くか

会社設立の費用にどう効くか

4万円が浮くというのは、会社設立の実費全体で見るとどれくらいの意味があるのかを考えてみます。

株式会社を資本金100万円で作る場合、登録免許税15万円、定款認証3万円、謄本代2,000円で、合わせて18万2,000円ほどです。

紙の定款だと、ここに4万円が乗って22万2,000円ほどになります。電子定款にすれば18万2,000円で済みます。

全体の2割弱が変わる計算です。会社設立の費用としては、無視できない金額です。

合同会社を資本金100万円で作る場合、登録免許税6万円だけです。紙の定款だと、ここに4万円が乗って10万円になります。

電子定款にすれば6万円で済みます。全体の4割が変わる計算で、株式会社より効き目が大きくなります。

つまり、会社設立の実費が小さいほど、4万円の重みが増すということです。合同会社を安く作りたいなら、電子定款はほぼ必須になります。

そこに軽減措置が使えれば、合同会社の登録免許税は3万円になります。電子定款と合わせると、会社設立の実費が3万円台まで下がります。

株式会社でも、軽減措置と電子定款と定款認証の減額を全部使えば、11万円台まで下がります。

司法書士に会社設立の登記を頼む場合は、電子定款が使われるのが普通です。だから見積もりに印紙代が入っていないことが多くあります。自分でやるほうが安いと思っていたら、紙の定款で4万円多く払うことになった、という話は実際にあります。

こうして見ると、会社設立の費用は工夫次第でかなり動くことが分かります。電子定款はその中でいちばん取り組みやすい手です。

出典(解説)freee「会社設立の費用はいくら?株式会社と合同会社の維持費も」2026年9月15日確認

電子定款を作るのに要るもの

電子定款を作るのに要るもの

電子定款を自分で作るには、いくつか道具が要ります。4万円が浮くかどうかは、ここをそろえられるかにかかっています。

まず電子証明書です。定款のPDFに電子署名を付けるために要ります。個人なら、マイナンバーカードに搭載されている署名用電子証明書を使うのが一般的です。

マイナンバーカードを持っていて、署名用電子証明書が有効なら、追加の費用はかかりません。持っていなければ、市区町村で申請することになります。

次にICカードリーダーです。マイナンバーカードをパソコンで読ませるための機器で、数千円で買えます。

スマートフォンで読み取れる仕組みが使える場合もありますが、ソフトが対応しているかを確かめる必要があります。

そして署名用のソフトです。PDFに電子署名を付けるための道具で、無料のものと有料のものがあります。

公的個人認証サービスの利用者クライアントソフトも入れる必要があります。マイナンバーカードの電子証明書を使うためのもので、無料です。

つまずきやすいのが、署名用電子証明書の有効期限とパスワードです。切れていたりロックされていたりすると使えません。

会社設立の準備を始めたら、まずここを確かめてください。市区町村の窓口に行くことになると、数日を失います。

道具をそろえるのが難しければ、電子定款の作成だけを行政書士や司法書士に頼むこともできます。依頼料が4万円より安ければ得になります。

出典(解説)freee「電子定款を自分で作成・認証するには?」2026年9月15日確認

紙のままでいく判断

紙のままでいく判断

電子定款が必ず得かというと、そうとも言い切れません。紙のままでいく判断にも理由があります。

まず、道具をそろえる手間です。マイナンバーカードの確認、カードリーダーの購入、ソフトの導入と設定。初めてなら半日から1日かかります。

パソコンの設定が苦手な人にとっては、この半日が重く感じられます。会社設立の準備には他にもすることがあるからです。

会社設立を急いでいる場合も、紙のほうが確実です。設定でつまずくと数日を失うことがあります。

発起人が一人なら、紙の定款は半日で仕上がります。印刷して押印して製本して印紙を貼るだけです。

逆に発起人が複数いて遠方にいるなら、紙は郵送でやり取りする日数がかかります。この点では電子定款のほうが早いこともあります。

4万円という金額をどう見るかも人によります。初期費用が限られているなら大きな金額ですが、他の準備にもっとかかっているなら誤差かもしれません。

電子定款の作成だけを頼むという中間の選び方もあります。依頼料が4万円より安ければ得になりますし、設定でつまずく心配もありません。

会社設立の登記をオンラインで申請する予定があるなら、道具は共通です。両方やるなら、準備の値打ちが上がります。

どちらを選んでも、定款に書く内容は変わりません。形式の違いだけだと思って、自分の事情で決めてください。

出典(解説)経営サポートプラスアルファ「自分で電子定款は作成できる?」2026年9月15日確認

印紙を貼り忘れたらどうなるか

印紙を貼り忘れたらどうなるか

紙で定款を作る場合、収入印紙を貼り忘れるとどうなるのかを見ておきます。

印紙税を納めるべき文書に印紙が貼られていないと、過怠税の対象になります。本来の税額に加えて、その一定倍の額が課されることがあります。

自主的に申し出た場合は軽くなる扱いもありますが、いずれにしても余計な負担になります。会社設立の費用としては痛いところです。

株式会社なら、公証役場で認証を受けるときに印紙が貼られているかを確かめられます。だから貼り忘れたまま進むことは少なくあります。

合同会社には認証がないので、確かめてもらう機会がありません。会社設立の登記に添える定款に印紙が貼られていないと、そこで指摘を受けることがあります。

貼ったら消印を押します。消印がないと納付したことになりません。印鑑でも署名でも構いませんが、印紙と台紙にまたがるように押します。

登録免許税の印紙には消印を押しません。押すと使えなくなります。会社設立で両方を扱う人は、取り違えないよう気をつけてください。

貼る場所は定款の表紙か、末尾の余白が一般的です。製本テープで綴じる場合は、その前に貼っておきます。

印紙は郵便局か法務局の近くで買えます。4万円という額面のものはないので、1万円を4枚といった組み合わせになります。

電子定款にすれば、この心配がまるごとなくなります。貼り忘れも消印の間違いもありません。

出典(一次情報)国税庁「No.7140 印紙税額の一覧表(第1号文書から第4号文書)」2026年9月15日確認

まとめ

まとめ

電子定款に印紙税がかからないのは、印紙税が文書に課される税金で、電磁的記録が文書に当たらないからです。優遇措置ではなく、課税の対象がそもそも存在しないという話です。

  • 紙の定款には収入印紙4万円。印紙税法の別表第一、第6号文書に当たる。
  • 対象は設立のときに作られる定款の原本。設立後の定款変更にはかからない。
  • 株式会社では、公証人が保存する1通だけが課税の対象。謄本には要らない。
  • 合同会社には認証がないので、作った定款そのものが原本になる。
  • 電子定款でも、株式会社なら公証役場での認証は必要。
  • 登録免許税も定款認証の手数料も変わらない。浮くのは印紙税の4万円だけ。
  • 自分で作るには、マイナンバーカード、ICカードリーダー、署名用ソフトが要る。

ここに挙げた金額と根拠は2026年9月15日時点で、国税庁の印紙税額の一覧表と質疑応答事例にあたって確かめたものです。印紙税の扱いは制度として安定していますが、会社設立を進める前に国税庁のページで確かめてください。

出典(解説)GMOサイン「電子契約で収入印紙が不要になる理由」2026年9月15日確認

仕組みが分かれば、判断もしやすくなります

電子定款で4万円が浮くのは、優遇措置でも裏技でもありません。紙という形式を選ばなければ、課税の対象になる文書が存在しないというだけです。仕組みが分かれば、道具をそろえる手間をかける価値があるかも判断できます。

電子定款を自分で作る手順を知りたいなら、それを扱った記事に進んでください。合同会社なら工程がさらに短くなるので、合同会社の電子定款を扱った記事もあります。

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